ユーロ/円相場は、10月23日の104.59円をピークに、足元では101円水準まで軟化する展開になっている。ギリシャ支援問題の先行き不透明感を背景に欧州債務問題を蒸し返す動きが活発化する中、ユーロの上値が重くなっている。ギリシャに対する支援決定は近いと見られるが、ユーロ圏の実体経済の見通し悪化、日銀の緩和期待を背景とした円売り圧力一服もあって、ユーロの上値が一段と重くなっている。
11月12日にユーロ圏財務相会合が開催されたが、ギリシャ向けの支援決定は先送りされた。ユーロ圏財務相会合のユンケル議長は、20日に再度協議を行う方針を示している。目先は16日に同国で短期債50億ユーロの償還を迎えることが警戒されるが、週内に当面の資金繰りを再協議した上で、来週に支援を正式決定する見通し。欧州委員会のレーン委員も、16日のロールオーバーには問題が無いと見方を示している。ただユンケル議長は、ギリシャの財政赤字削減目標の達成で2年間の猶予を与えたことを明らかにしており、ギリシャの財政問題は解決が先送りされる可能性が一段と強くなっている。当面の資金繰りには問題が生じない見通しだが、債務問題の長期化は必至の状況であり、ユーロの上値は重い状況が続く見通し。
15日には7~9月期のユーロ圏国内総生産(GDP)が発表される。ここではマイナス成長の継続が確認される可能性が高く、ユーロ実体経済の低迷が再確認されると、債務問題解決の難しさが再認識され、ユーロが一段安となるリスクも十分にあるだろう。
今後1週間の予想レンジは、100.00~102.00円。